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公式ルール


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RULES

SUP競技ルール>


 


 


 


 

日本スタンドアップパドルボード協会

 

 

大会参加の基本原則

 

1:責任の所在

大会の実行委員は人員及び道具に対する全ての損害の責任は負わない。参加選手は自己の責任において参加申込を行い,併せて保険の付加を行わなければならない。

一切の責任は、参加選手に帰属する。スタートするか否か、或いは競技を継続するか否かを決める責任は選手各自で負う。

レスキューが必要となった選手に対して、ボード等を放棄させる場合がある。これに同意出来ない選手は大会に出場する資格を失う。

2:マナー

大会の名誉及び品位を著しく 損なうような行為のある場合は、大会の出場を停止、今後の大会への参加停止、罰金等のペナルティーが与えられる。

順位がこれによって変わるとジャッジが判断した場合正当に修正される。

 

エキップメント

1:ボードはエントリーするカテゴリーとクラスに合ったものを使用する事。

2:パドルはシングルブレードを使用すること。

3:必ずリーシュコードを装着すること。

またライフジャケット、ウェットスーツ等の着用を義務付けられる場合は、これに従うこと。

 

定義

1:スタート(フィニッシュ)

ボードに乗った状態でノーズがスタート(フィニッシュ)ラインを横切ったとき。または決められた見通し線上を横切った時。

2:ワイプアウト中

身体がボードから離れ、水に浸かっている状態をいう。

3:復元中

身体が水から出て、ボードの上でスタンドアップにてパドリングが可能になるまでを復元中という。

4:カミング・イン、ゴーイング・アウト

ボードが岸に向かう状態をカミング・インという。

ボードが沖に向かう状態をゴーイング・アウトという。

5:サーフィング

波に乗っている状態をいう。

6:クリア・テール、クリア・ノーズ

ボードのテールから真横に引いた仮想線よりも後方にある場合、そのボードはクリア・テールといい、相手のボードはクリア・ノーズという。

 

7:オーバーラップ

クリア・テール、クリア・ノーズではなく2つ以上のボードが重なり合っている状態をいう。

8:オーバーテイキング

ボードがクリア・テールからオーバーラップしさらに自分のボードのノーズが、相手のボードのノーズよりも先行するまで、そのボードはオーバーテイキング中とみなされる。

 

レースルール

. クラス

a)エリートクラス … 12’6”フィート以下の、レースボードタイプのクラス

b)オープンクラス … 12’6”フィート以下の、サーフボードタイプのクラス

c)インフレタブルクラス…12’6”以下の、空気を入れて膨らますタイプのクラス

上記3クラスを全日本選手権の公式種目とする。

全日本選手権および予選大会では、レース前にボードタイプのインスペクションを

 行う事。

 また、b)およびc)のカテゴリーのボードでa)のカテゴリーに参加しても構わない。

ボードの長さは、デッキを上にして自然にフラットになる状態で、ノーズからテー

ルまでを測った長さを言う。

 

. 優先権

a)基本

後続の選手は先行している選手を避けなければならない。

権利の移行は後続選手のノーズが先行している選手のノーズを越えたとき、優先権を持つ。

b)マーク回航

オーバーラップしているボード同士がマークを回航する際は、マークに対し内側のボードが優先権を持つ。

C)ワイプアウト

ワイプアウトしているボードは避けなければならない。

ワイプアウトしている選手は後続の選手の妨げになってはならない。

 

. 安全

安全は、すべての競技参加者とレースディレクターにとって最優先されることであ

  る。参加者は必ずレース前ミーティングに参加し、そこでレースディレクターから

  そのレース会場の通常の気象海象の特徴とレース当日に予想される気象海象情報

  を知らされるべきである

 

. スタート

スタートラインはレース当日の選手ミーティング、又は公式掲示板にて掲示される。

a)ビーチスタート

選手は各自の責任において自分のスタート位置を把握しなければならない。

赤色旗掲揚と短音2発の後、赤色旗降下と長音1発でスタートする。

b)海上スタート

(予告信号)130秒前 赤色旗降下

(準備信号)1分前    青色旗掲揚 音響信号一声

(スタート信号)    青色旗降下 音響信号一声

 

. リコール(フライング)

スタート時点で選手の体、ボード、パドルの一部がスタートラインのコース側に出たとき、音響信号と共に赤色旗が掲揚されそのスタート(レース/ヒート)は再スタートとなる。このとき2回フライングをした選手は失格となる。

失格した選手は口頭で呼ばれる、速やかにビーチに戻らなければならない。

再スタートは赤色旗降下を新しい準備信号の30秒前とする。

 

. タイムリミット

a)スタート信号後1分以内にスタートしなければならない。

これに遅れた場合DNSと記録される。

b)スラロームの場合、トップ選手のフィニッシュから10分以内、

レースの場合、トップ選手のフィニッシュから1時間以内、もしくはレースディレクターが定めた任意の時間。

この時間内にフィニッシュで出来ない場合はDNFと記録される。

 

. マークと障害物の通過と回航

ボードがオーバーラップしている場合、外側のボードは内側のボードにマークまたは障害物を回航または通過するためのスペース(ルーム)を与えなければならない。

 

. フィニッシュ

事前に指示された見通し線上をボードに立った状態、または走り込んで横切らなければならない。

ビーチで乗捨てたボードは、後続の選手の障害となる為、速やかに移動をする事。

 

. 競技中のルール

  1. 競技者は、一度スタートしたらフィニッシュするまでの間はボードの上に立っ

てパドルしなければならない。競技者はパドルしていなければ、座ったり寝そべったりひざ立ちになっても良いが、その状態の時にもし5ストローク以上パドルをすると失格(DNF)となる。

    自分や他の競技者に対して一時的にケガや破損等危険な状況になると思われ

    た時にそれを避けるための安全上の理由がある場合は例外とする。

  1. 競技者は、レース中にボードを前に進めるためにはパドルと波と風しか利用し

てはならない。サポートする乗り物の引き波を利用したり、風を受けるようにデザインされた服装で競技したり、その他、スピードを増す装置等をつけることも禁止する。

一般のプレジャーボートがレースコースを通った場合の引き波は自然のコンディションとみなされる。

 

10. ペナルティー

上記各項目の明らかなルール違反は、レースディレクターにより失格またはペナルティーを課せられる。

 

11. 抗議

選手は他の選手に対してルール違反についての抗議を、最後の選手がフィニッシュしてから15分以内に出す事が出来る。選手から抗議が出された場合、レースディレクターが関係する選手から状況を聞き判断をする。抗議の内容が認められた場合は公平になる様に訂正を行うことができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウェイブルール

 

  1. 一般的な判断基準

1)「ジャッジ基準」

日本国内の多くのサーフィンコンテストは「NSA 日本サーフィン連盟」のルールとジャッジ基準を採用しています。SUPAもこれに倣います。

NSAでは、大会の審査をASP(Association of Surfing Professionals)ルールを基準にジャッジングを行っています。

ジャッジ基準、採点や集計の方法、インターフェアランスの判定は、国際基準に沿って統一されており、世界ではASP および ISA(International Surfing Association) そして日本国内においては、NSA および JPSA(日本プロフェッショナルサーフィン連盟)のどの大会でも同様に使用されています。

2)「基準となる要素」

A、選手がスコアリングポテンシャルを最大限に引き出すためには、波のクリティカルなセクションで「スピード」「パワー」「フロー」を伴うラディカルでコントロールされたマニューバーを行わなければならない。

B、革新的で斬新なサーフィン、多様なマニューバーは考慮されたスコアに反映される。

C,より良い波で最も難易度が高くそして積極的なマニューバーを行える選手は、より高い得点を得ることができる。

D,SUPサーフィンの重要な要素である、トランジッション時のスタンディングフォーム及び、ライディング中にパドルを使ったアクションやスピードコントロールが有効的に行われているかを適切に評価される。

3)「解説」

  1. Critical section:波のきわどい場所

透明な海面が立ち上ってカールし、その先端が飛び出すように白い泡になって崩れてゆく波の最も力があり、変化が激しい場所でのアクションは、不安定でワイプアウトするかもしれないというリスクを伴うチャレンジです。

SUPサーフィンではテイクオフのタイミングが早く、波のフェイスを先へ先へと走りがちになりますが、クリティカルセクションでのマニューバーは、他のセクションに比べてスピードとパワーがより顕在的に表現されます。

 

2) Speed  Power and Flow:速さ、力強さ、技のつながり

ボードの進む速さ、上がるスプレーの量、フェイスに刻む深いトラック、より高く大きなリップアクションなどの技の組み立てが、波の変化に合わせて減速せずに流れるようにつながり、波の力をいかに利用して行われているかを評価します。

 

 

3Radical controlled Manoeuvres:確実にコントロールされた技術

ファーストターンから始まるいろいろなマニューバーは、波の上でのボードの方向転換で構成されます。リエントリー、カットバック、フローター、エアリアル、スナップ、チューブライディングなどのメジャーマニューバーがよりハイレベルで確実にコントロールされていることは高得点の対象となります。

 

4Commitment difficulty:難しい場所や高度な技への挑戦

よりリスクの高いチャレンジ(コミットメント)は高い評価を得ることです。

ワイプアウトすることなくアクションを完結して、さらに次のマニューバーにつなぐことができることは技の完成度の高さを示し、最も高い評価を得ることです。

 

5Variety of repertoire:多様な技術の披露

一つの波の中で行われる一本のライディングの中でより多様なマニューバーを組み合わせることが高い評価となります。マニューバーの回数やライディングの距離ではなく、そこに織り込まれる多彩なアクションとその完成度の高さで、ハイクオリティな技術を示した選手が高ポイントを獲得できます。

 

6Select Waves:波を選ぶ

「よりよい波」は高ポイントを得るための重要な要素であり、選んだ波の質や形により演技できるマニューバーが決まります。大きな波が必ずしも良い波とは限りません。

選手自身が獲得できる得点の可能性を最大限に広げることができるであろう「波」を選択し、その条件の中でライディングし、クリティカルなセクションでハイリスクなマニューバーを優れたコントロールで行うことが求められます。

 

7) Using the Paddle:パドルを使う技術

パドルは操作の要点であり、SUPサーフィンの真髄であると言えます。

シングルブレードのパドルは、推進力を得ることや減速すること、あるいは方向転換することなどに常に有効的に利用されるべき道具です。パドルを振り回したりするトリックは得点としません。波に刺したパドルを中心にターンする、パドルを使ってよりパワフルなアクションをするなどサーフィンする中で、波に対してパドルをどのように使っているのかは、これまでのサーフィンにはない新しいカテゴリーの評価です。

 

8) Stand up Paddling Form:立って漕ぐことへの取り組み

SUPサーフィンとは、シングルブレードのパドルを使用して海面を移動するとともに、常にボードのデッキに立った状態を維持できることです。

ヒート中において、安全面を考慮した場合やパドルを流してしまったとき以外は、常にボードに立ってパドルを使用していることが求められます。

パドリングアウトやトラジッション、キャッチザウェィブからテイクオフに至る一連の動作もスタンドアップパドリングであることが必定です。

ボードに腹這いで両手を使ったパドリングや、またパドルを使用していてもボードに座った状態でのゲッティングアウトやテイクオフは、SUPサーフィンの要素を満たしているとは言えません。

これを「パドリングフォームが悪い」と表現し、スコアに影響します。

もし、良いパフォーマンスを示しても ライディングやトラジッションでボードに立った状態を維持することができない場合には、高いポイントを得ることはできません。

 

 

 

 「用語説明」

波のクリティカルなセクション:Critical Section

水を巻き上げて今まさに崩れようとする波の最も窪んだ部分のこと。

「ホレたボトム」 「カールしたトップ」 「フックしたリップ」

マニューバー:Manoeuvres

  波の上でボードの方向を変えること。

目に見えて際立っていて、成功すれば高得点につながる「メジャーマニューバー」と、それには属さないがスコアに影響する「マイナーマニュバー」に分けられる。

スピード:Speed

どれだけスピードに乗ったライディングであるか。

パワー:Power

ボトムでのドライブの時間、トラックの深さ、ターン時のスプレーの量などで判断できるライディングの力強さ。

フロー: Flow

波をどのように活用し、スムーズに流れのあるライディングであるか。

積極的な:Commitment

  リスクを恐れずチャレンジしたマニューバーには特に高いポイントが与えられる。

  難しいマニューバーはライディングの最初に行うほうが、リスクが高いと言える。

難易度:difficulty

評価の大事な要素で、完成された技のクオリティーのこと。

 クリティカルセクションでコミットメントを含んだアクションを確実に成功させることは難易度が高いと評価される。

トランジッション:Transition time

一つの波のライディングを終えたところから、次の波のライディングを始めるまでのこと。パドリングアウトからテイクオフまでの間も常にボードに立った状態でパドルを使用することが求められる。

 

 「メジャーマニューバーとは」

エアリアル 

チューブライド 

リエントリー(オフザリップ、オフザトップ)

カットバック 

リコシェット

フローター 

ボトムターン  

ハングファイブ 

ハングテン

ウォーキング&ウォーキングバック 

ハングヒール&テンヒール 

アラウンドハウスカットバック

ドロップニーカットバック

 

 「マイナーマニュバーとは」

トップターン

フォームフローター

フェードターン

チーターファイブ

シャッフリング

 

2.妨害と優先権についてのルール

 「妨害  Interference Rule

1)妨害に関するルールは、ライディングしようとする、あるいはすでにライディングしているその波について、正当な権利を持つ選手を保護するためにあり、妨害を科するためのものではありません。

2)ジャッジはルールをよく理解し、全ての選手に対して公平は判断をしましょう。

3)妨害とみなされるような何らかの行為があった場合、それが他の選手に対する妨害として成立するか否かを必ず判断しなければなりません。

4)設定されたマキシマムウェイブに達した選手が競技エリア内に留まり、明らかに他の選手のライディングを妨げた場合にも妨害とみなされます。

 

 「妨害行為の判定」

妨害行為(インターフェアランス)にあたるか、そうでないかの判断は、ヘッドジャッジを含めてそのヒートを担当するジャッジの大多数で決定されます。インターフェアのコールは、そのヒートを戦う選手に大きく影響するので、ヘッドジャッジは素早くパネルジャッジの見解を取りまとめましょう。各ジャッジの見解が同数に分かれた場合は協議の上、ヘッドジャッジがインターフェアの成立、または不成立を判断します。

妨害が成立したと判断された場合には、速やかにインターフェアランスコールを行います。

 

 「妨害を判断する基準」

  1. どのような波か?(ライト、レフト、オープンブレイクなど)

  2. ピークの位置はどこか?

  3. どの選手に優先権があるのか?

  4. スコアリングポテンシャルを妨げたか?

  5. どの妨害ルールに当てはまるのか?

 

 「ライディングする波の優先権」

波に乗る優先権は、選手の波に対するポジションにより決定するものです。

基本的にインサイドポジション(波のピーク側)にいる選手に優先権があります。

選手たちのその状況や実際に接触したかどうかでは、妨害としてコールされません。

あくまでも優先権がある選手のスコアリングポテンシャルを妨げたことにより、その行為は妨害として判断されます。

 

 「優先基準の選択」

優先権はコンテスト会場に指定された海面の波の状況により決定されます。

優先基準はそのヒートを担当するジャッジの大多数で決定されます。

1)ジャッジがその波がライトウェィブかレフトウェィブなのかを見極めて、どの選手がインサイドポジションにいるのかを判断します。

2)波の形により、ライトかまたはレフトか、どちらに向かうライディングがより高いポイント(スコアリングポテンシャル)の可能性があるのかでブレイクの方向を決め、その波に対する選手の位置で、選手の優先権の有無を判断します。

3)もし、波のブレイクする方向が定まらないオープンブレイクの場合には、先にターンをして進行方向を決定した選手に優先権が与えられます。

 

 「妨害ルールの種類と解説」

・ドロップイン妨害

その波の優先権を有する選手に対し、他の選手がその前方でテイクオフすること(前乗り)は、あきらかに優先権を持つ選手の進路を妨害する行為です。

 

 

・スネーキング

テイクオフできる波のインサイドで、その波の優先権を有する選手に対し、他の選手がその後方でテイクオフすることです。

  1. テイクオフできる最もインサイドのポジション(ピークに近い位置)で、その波の優先権を確立した選手にそのライディングを継続する権利があります。

他の選手がそれに続く形で後からテイクオフした場合でも、先に確立された優先権は変わることがありません。

2)この場合、最初に優先権を得た選手(A)が、後からテイクオフした選手(B)の前方でライディングしても (A)は(B)に対する妨害とはなりません。

3)後からテイクオフした選手(B)が、前にいる優先権を有している選手(A)の妨害とならずにライディングした場合は、(B)も(A)の妨害とはならず、両方の選手にその得点を与えます。

・パドリング妨害

パドリングをしている選手は、インサイドポジションでテイクオフしようとしている、

またはすでにライディングしている選手の妨げになってはいけません。

トラジッション中にある選手が、パドリングアウトする途中に他の選手のライディングの妨げになった場合、これが故意による行為か否かは各ジャッジにより判断されます。

インサイドポジションにいる選手の位置を変えさせた(パドリングラインの変更)

またインサイドポジションからライディングする選手の前で、他の選手がパドリングにより波を崩した(セクションのブレイキングダウン)という行為にもパドリング妨害が適用されます。

 

・ダブルインターフェアランス

ダブルインターフェアランスとは、関係する選手のそれぞれが相手に対する妨害と判断され、双方ともに妨害があったと認められることです。お互いに回避義務を怠った場合に適用されます。

  1. ワンウェイブ ワンピークの場合

一つの波の同じピークから同時にテイクオフし、お互いに積極的に接触を回避しないとき。

 

  1. オープンブレイクの場合

同じ波の離れた2つのピークから、選手がそれぞれにテイクオフして互いに向かい合って進む双方が優先権を持たず、かつ両方の選手ともに積極的に回避しないとき。

 

  1. パドリングしているときに、お互いが過度に競りあっているときにも ダブルインターフェアランスをコールする場合があります。

 「妨害に関するペナルティ」

  1. インターフェアと判断されたライディングは得点がゼロになります。また、妨害を行った選手のそのヒートにおける特典は、ベスト2ウェイブのうち、2番目に高いスコアを半分として集計されます。

  2. 妨害を受けた選手は、定められた競技時間内であればマキシマムウェイブに追加して、エクストラウェイブが与えられます。ただし、ダブルインターフェアランスの場合は除きます。

同じヒートでインターフェアを2回コールされた選手は「失格」となり、速やかに競技エリアから退場しなければなりません

 

.スコアリング基準

 「採点」

  1. ジャッジは0.010.0までのスコアで、選手のライディングを評価します。

2)競技海面のコンディションによっては、明確な差が出しにくいという場合もありますが、ジャッジスケールは出来るだけ「ベーシックスケール」の0.5ポイント刻みで考慮しましょう。特にSUPサーフィンでは各選手のライディング数が多くなるので、それぞれのライディングの差を表しにくくなります。そのような場合に「アドバンススケール」や「エリートスケール」による表現が採用されます。

2SUPサーフィンでは、マニューバーの中でパドルを有効に利用できているかをスコアに反映させます。水中に入れたパドルを中心にターンをすることや、パドルを利用した素早いスナップや、パドルを使った力強いアクションはハイスコアの要因となります。

4SUPサーフィンにおいては、ライディングとライディングの間のトラジッションもスコアに影響します。パドリングアウトで膝をつく、座るなどはパドリングフォームが悪いとして、ジャッジペーパーに[PF]と記入します。

同等のパフォーマンスであってもパドリングフォームが悪い選手は、パドリングフォームが良い選手に比べて得点が低いということです。

パドリングフォームについては、スポッター(スポッターが在任しない場合はヘッド

ジャッジ、またはヘッドジャッジが指名するジャッジ)が、トラジッションを専門に

見て、ヒート中の選手のパドリングフォームが悪い状態であればそれをコールします。

 

 「スコアリングカテゴリー」

ジャッジはライディングを見たときにスコアリングカテゴリーに当てはめて判断します。競技を行うポイントの状況やその時のコンディションなどによりスコアリングは変わります。

0.01.9ポイント Poor

2.03.9ポイント Fair

4.05.9ポイント Average

6.07.9ポイント Good

8.010.0ポイント Excellent

 

ベーシックスケール

0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 8.5 9.0 9.5 10.0

 

アドバンススケール

0.2 0.3 0.7 0.8 1.2 1.3 1.7 1.8 2.2 2.3 2.7 2.8 3.2 3.3 3.7 3.8 4.2 4.3 4.7 4.8 5.2 5.3 5.7 5.8 6.2 6.3 6.7 6.8 7.2 7.3 7.7 7.8 8.2 8.3 8.7 8.8 9.2 9.3 9.7 9.8 

 

エリートスケール

0.1 0.4 0.6 0.9 1.1 1.4 1.6 1.9 2.1 2.4 2.6 2.9 3.1 3.4 3.6 3.9 4.1 4.4 4.6 4.9 5.1 5.4 5.6 5.6 5.9 6.1 6.4 6.6 6.9 7.1 7.4 7.6 7.9 8.1 8.4 8.6 8.9 9.1 9.4 9.6 9.9

 

 「ジャッジシートの記入」(別表 ジャッジシート)

  1. 大会会場のポイント名を必ず記入する。(Aポイント、Bポイント)

  2. クラス、ラウンド、ヒート番号を記入し、ジャッジサインをフルネームで記入する。

  3. 採点は0.110.0の範囲で小数点以下一桁の単位まで。

  4. 妨害と判定したときは、妨害を行った選手のライディングに△を記入する。

  5. 記入した△から妨害を受けた選手のそのライディングの点数まで矢印を伸ばしてそれを示します。ジャッジシートの余白に妨害と判定した根拠を図で示し記入する。

  6. パドリング妨害と判定したときで、妨害した選手がライディングしていない場合は、を記す。

  7. エリア外からのテイクオフは×を記す。

  8. マキシマムオーバー(規定数以上のライディング)にはレ印を記す。

 

 

4.得点の集計

 「確認作業」

1)各ヒート終了後には速やかにジャッジシート(採点表)を回収し、集計作業を行います。全てのジャッジシートが回収されたことを必ず確認しましょう。

  1. 回収されたジャッジシートに、各ジャッジのサイン、クラス、ヒート番号が書かれているかを確認すると同時にウェイブカウントを必ず確認しましょう。

  2. インターフェアランスの有無を確認しましょう。

 

 「集計作業」(別表 集計用紙)

  1. ジャッジシートの得点の全てを選手ごとに集計用紙に記入します。

  2. 妨害が成立している場合はそのライディングに横線を引きます。

  3. ライディング中の得点は各パネルジャッジが付けた、最も高い点と最も低い点の2つを除くスコアの平均点と定められています。ただし、3名のジャッジで行う場合には最高点と最低点を除くことなくそのまま平均点を求めます。

  4. 平均点を算出します。

まず、ライディングごとに最も高い得点と最も低い得点に線を引いて消します。(同点の場合は用紙の左側にある得点を消します。)

5人のジャッジの場合では、消されなかった得点を合計して3で割り、そのライディングの平均点を出します。

4人のジャッジの場合では、消されなかった得点を合計して2で割り、そのライディングの平均点を出します。

5)規定されたライディング数の中で、平均点の高い2本以上のライディング(ベストウェイブ)の合計点により、そのヒートの勝者を決定します。

現在、多くの大会で「ベスト2ウェイブ」制が採用されています。

6)ベストウェイブの合計点が同点の場合には、そのベストウェイブの中で高いポイント「ハイポイント」を持つ選手を上位とします。それが同点の場合には、2番目に高いポイントを対象とします。

レギュレーションで規定されたベストウェイブがすべて同点の場合には、ベスト3以降合計点とライディング中にあるハイポイントを考慮します。

一方がインターフェアで同点である場合には、インターフェアランスをコールされた選手が上位となります。

7) 勝敗を決定する対象となったポイントを必ず集計表に明記します。

8)インターフェアランスがコールされたヒートでは、以下のように集計します。

妨害が成立した場合

妨害の対象となったライディングは集計の対象とならず、また、妨害を行った選手の集計対象スコアの内の最下位のスコアを50パーセントとして集計する。(ベスト2ウェイブの場合は2番目のスコアを、ベスト3ウェイブでは3番目のスコアを半分にする) 

パドリング妨害が成立した場合

妨害の対象となったライディングの有無にかかわらず、妨害を行った選手の集計対象スコアの内、最下位のスコアを50パーセントとして集計する。(ベスト2ウェイブの場合は2番目のスコアを、ベスト3ウェイブでは3番目のスコアを半分にする)

妨害があった選手のライディングの妨害欄に△を記し、妨害を受けた選手の対象のライディングに矢印で示す。

パドリング妨害の場合 ライディング有りには△Pと記入する。ライディング無しには▲Pと記入する。

9)集計が終わったら集計責任者がチェックします。問題が無ければ、集計者と集計責任者のサインをそれぞれ記入します。

 

5、競技規定

第1条 (オーシャンマンシップ)

大会に参加するすべての選手はエチケットを守り、他の選手をリスペクトし競技を行う。万が一スポーツマンシップに相応しくない行為を行った選手には当該試合の参加資格剥奪、以後の公認大会の出場停止の勧告を行う場合がある。

第2条(ヒート基準)

  1. ヒートの構成人数は2人以上6人までとし、出場選手の3分の1以上が次のラウンドに進出する。

  2. 1ヒートの競技時間は海のコンディションや選手の人数により調整できるものとし、当日のヘッドジャッジが決定する。

  3. マキシマムウェイブライディング数は、海のコンディションと選手の人数により、ヘッドジャッジが規定する。

  4. ベストウェイブカウントは基本を2本とし、コンディションによってマキシマムウェイブカウント数によって変動することができる。

  5. マキシマムウェイブカウント数が設定されている場合に起きたインターフェアレンスについては、インターフェアを受けた選手へエクストラウェイブカウントが与えられる。

  6. マキシマムウェイブカウントは自分自身が管理し、特にアナウンスは行わない。

  7. マキシマムウェイブカウント数を終了した選手は直ちに海から上がらなくてはならない。マキシマムカウント数より多く乗った選手にインターフェアは適用されないが、海から上がらずに他選手の波を取った場合など、邪魔になった行為に対してインターフェアが適用される。

  8. 沖スタートを行う場合は競技中の選手の邪魔にならないよう、次のヒートの選手は競技エリア内へ侵入することは出来ない。 エリアへ侵入し、選手の邪魔をすればインターフェアが適用される

  9. ヒートスタートは、ホーン1声にて青旗(または緑旗)を掲揚。ヒート終了はホーン2声にて赤旗を掲揚する。尚、ヒート終了3分前には黄旗を掲揚する。

10.ヒートが開始されたらいかなる事情があろうともそのヒートを延長することはできない。何らかの理由によりヒートの継続が困難な状況にある場合には、ヘッドジャッジによりそのヒートは中断される。選手はその場でボードに座って、出来るだけポジションを移動することなくヒートの再開を待つ。

11.中断したヒートを再開する場合には、定められている制限時間の残りで続行される。

12.ヘッドジャッジが適任者と話し合い、ヒートが中断された時点でどの選手も優位についておらず、またその後の状況が最初の行われたヒートと同基準でのジャッジングが困難だと判断できる場合には、そのヒートは新たに行われる。

13.ヒートが始まってある程度の時間が経過しているのに、どの選手にもライディングが無く採点するに至らない場合には、ジャッジ委員長またはヘッドジャッジの判断により、ヒートを最初からやり直すことができる。

14.競技中は放送で時間経過を選手に伝え、カウントダウンによって終了を知らせる。

15.放送のミスコールがあった場合、選手は異議を申し立てることはできない

第3条(審査基準)

.テイクオフと認められるのは、パドルを使わずにボードがサーフィング中で有る状態が確認できた時点をいう。

.選手がスコアを出す為にはパドルの 3 つの用途(ターン中の支柱、ボードの旋回、ライディングの力の増幅)を上手く使い、パワフルにターンすることで高得点を得られる。

.最も良い波のクリティカルポジションでパワー、ラディカルムーブ、フローを伴うコントロールされたマニューバーを行うことで加算される。

. ターンや技を行う時点で使用されているパドルとボードの関係が革新的で斬新なサーフィン、加えて多様性を兼ね備えた融合性は考慮されスコアへ反映される。

. テイクオフとフィニッシュではスタンディング姿勢が基本となり、腹ばいやニースタイル、ワイプアウトはスコアへ反映されない。

第4条(優先権)

. 波に乗る優先権は各会場のコンディションによって変更される場合がある。基本的な優先順位は沖から既に波を取るためにパドルしている場合、波のブレイクに対してピーク側にいる選手にある。

. オープンブレイクなどで、テイクオフするポジションが定まらない場合には、最初にその波に乗り、完全にターンをした選手がその波の優先権を得る。

 

 

 

第5条(妨害)

. 妨害に当たる行為は、下記のルールに則り判断される。

1) ドロップイン妨害

2) スネーキングパドリング妨害

3) ダブルインターフェアランス

2. 妨害と判断される場合には以下のような行為がある。

1)先にパドリング中やライディング中の選手の前や横の至近距離まで近づき、その選手の進路をふさいだときや、パドルでリーシュコードを引っかけたり、ボードやパドルがぶつかったとき。

2)大会開催中で他の選手と問題を起こしたとき。

第6条(プロテスト)

1. 選手はヒートの判定に対して、以下に定める手続きを経てプロテスト行うことでジャッジに対して判定の説明を求める権利を有する。競技役員に抗議する旨を申請し、プロテストシートを受け取る。プロテストシートに必要事項を記入し競技役員に渡す。

. 選手から採点等に関して抗議があった場合には、ヘッドジャッジが対応する。抗議の内容が認められた場合には訂正を行うことができる。

訂正に至らず審議が求められる場合には再試合を行うことができる。

第7条(集計)

1. 集計はライディングに対して全ジャッジがだしたスコアのハイローをカットし、残りの点数で平均点を算出したものをポイントとする。
尚、3人以下のジャッジで行う場合にはカットスコアを行わず平均点を算出する。

. 海面のコンディションやマキシマムウェイブカウント数によって、スコア集計のベストウェイブ数が変動した場合はこれに倣う。

. 合計点が同点の場合は、平均値を出すために使用したスコアを比べ、高い得点を持つ方が上位となる。

. 妨害があった場合、妨害した選手の妨害となったライディングは集計の対象とされず、ベスト2ウェイブの2番目のスコアを50パーセントとして集計する。

第8条(結果の表示)

  1. 各ヒートの終了後、集計された順位は、担当役員の確認を得た後、往相によって発表されるとともに、集計順位を掲示する。

第9条(ジャッジ)

. ジャッジは1ヒート 1ポイント毎に3~5名のパネルジャッジと1名のヘッドジャッジで行う。

. 各ヒートにスポッターを配置し、スポッターは選手のゼッケンの色とライディングの開始を指示する。またトラジッション時のパドリングフォームに注意し、必要以上にニーディングやシッティングを続ける選手のゼッケンカラーをコールする。

. スポッターは随時、各ジャッジにウェイブカウントをコールする。

. ジャッジは全ての選手の全てのライディングを採点しなければならない。エリア外からのテイクオフは×印、マキシマムオーバーライディングにはレ点を記入する。

. ジャッジは波の状況により、競技時間の変更をヘッドジャッジに進言できる。

. ヘッドジャッジは著しく採点が違うジャッジに対し、修正を指示することができる。

. 妨害が生じたと思われる場合に、ヘッドジャッジがコールする。

. 集計の結果において、同点の場合や順位が判断できない場合、ヘッドジャッジがそのヒートの担当ジャッジと協議の上、総合評価を下すことができる。

 

第10条(ジャッジ委員長)

. 海という自然の中で行われる競技であることから、荒天や異常事態などに対して競技の一時中断の判断や、台風や低気圧及び前線の接近により、安全な大会運営が困難と予想される場合には事前の中止判断も必要であり、大会会長にその意見を申し立てることができる。

. 大会開始前にジャッジミーティングを行い、競技エリアを確認するとともに、競技開始前に選手に競技ルールの説明を行う。

. 各ジャッジとの間で著しく判断が違うジャッジや、運営に支障を生じるようなジャッジに対し注意をし、場合によっては罷免することができる。

. 波の数が少ない、選手が競技エリアを維持できない風がある、などのような場合に、設定した競技エリアや競技時間の変更などに際し、コンテストディレクターや運営委員長と協議した上で決定することができる。

第11条(異常事態)

. ヒート進行中に異常事態が発生した場合、ホーンの断続音と放送によってその旨を告げ、同時に赤旗を掲揚する。

. 異常事態の発生が告げられた際には、選手は直ちに競技を中断し、陸に戻らなければならない。

. 異常事態の発生によりヒートを中断した時点で、ヒート終了までの残り時間が3分を経過している場合にはそのヒートは成立する。

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